~一番美味しい食べ方~

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毎年恒例になりつつある創建菜園。
今年植えたものは、ゴーヤ・トマト・枝豆・大葉の4種。
中でも私のイチオシは、ビール好きにはたまらない枝豆。
おつまみにはもちろん、おかずとしても大事な彩りとなるし
もっと言えばずんだ餅などのスィーツにもなる!
まさに万能選手だ。
ところが、私の予想に反してそのイチオシ枝豆は
みんなに配るほどの量ができなかった。
(そもそも植えた苗の数が少なかった…とも言う。)

どの野菜も、収穫したら社員でシェアするのが基本だが
枝豆に関しては残念なくらいに一人当たりの量が少なかった。
その報告をすると「収穫したんだから全部持って帰って食べな」との
ことだった。
例え、少しずつでも分けたかった。
独り占めしているようで心苦しかった。
・・・が、遠慮なく頂いた。

帰宅し、鍋にお湯を沸かし多めの塩を入れ茹でた。
よく居酒屋さんなどでは冷えた枝豆が出てくるが
私は、粗熱がとれたくらいの方が好み。
キンキンに冷えたビールをグラスに注ぎ枝豆を口にすると
甘みと旨味がギュッとしていて最高!
あ~、みんなにも食べて欲しかったなぁ~
と思いつつ、こんな話を思い出した。

昔、どこかの王様が、世界中の名だたる一流シェフを呼び
一番美味しいものを作って食べさせるよう命じた。
もう、それはそれは、どのシェフも
腕によりをかけて、最高の逸品を作り ふるまった。
だが、なかなか王様を唸らせることができない。
そこに現れた、一人の料理人。
一流シェフと呼ぶには程遠い彼だったが
その彼が作ったものを王様は大絶賛した。
何人もの一流シェフを圧倒的に上回るほどのものとは、何か。
彼は、厨房に入ってから何もせずに長い時間過ごした。
王様が、まだか?とたずねるも
只今、作っているところです、と。
そのやりとりを何度も何度もやり過ごし、ようやく
簡単なものを作って出したら、王様が言った。
これは、旨い‼
もう、お分かりですね。
どんなに、一流シェフが一流の食材で作ったものだとしても
お腹が空いていなければ、その美味しさは半減してしまうことがある。
一方、お腹がペコペコだったり、何かを一生懸命頑張った後などは
どんなものでも、旨い!と感じる。
だから、いつも満たされている状態より
ちょっと、我慢した時の方が
全てにおいてありがたみや、旨味は格別ということ。

長くなったが、そんなこんなもあり
暑い中、汗だくになりながら苗に水をやり
蚊や虫と戦いながら育てた甲斐があった~と痛感。
育った野菜を採れたてで一番美味しい時に食べるなんて
これ以上に贅沢で美味しい食べ方は、きっとないんじゃないかな。